2020年10月号【連載26】
【澤井健のZAITEN戯画26】河井克行・案里夫妻の「野望の階段」
カテゴリ:澤井健のZAITEN戯画
『ハウス・オブ・カード 野望の階段』(2013~2018年 Netflix配信)
デヴィッド・フィンチャーが製作総指揮したこのドラマは、権力欲に憑りつかれた下院議員フランシス・アンダーウッドとその妻クレアが、あらゆる権謀術数を駆使してトップを目指すポリティカル・スリラー。
目的のためには手段を選ばない夫婦のキャラクターが河井克行・元法務大臣とその妻、案里を連想させます。不倫妻を夫が容認している設定も同様(おまけに案里のヘアスタイルはヒロインのクレアにそっくりです)。志半ばで無念の逮捕となった河井夫妻と違って、ドラマの主人公は第2シーズンで早くも大統領にまで上り詰めます(最終シーズンでは妻も大統領に!)。
ドラマを観て複雑な気持ちになるのは、本物の悪人がトップにいるほうが、バカ夫婦(参謀頼りで漢字の読めない首相とスピリチュアル狂いの妻)のそれよりまだマシなのでは? とついつい自国を省みてしまうからです。
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澤井健(さわい・けん)イラストレーター。漫画家。現在、週刊文春『言霊U.S.A』でイラスト担当、月刊映画秘宝でイラスト、コラムを連載中。2018年9月、コミック『イオナ』電子版が文藝春秋から復刻。
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