九州で錯綜する大手マスコミの思惑―
読売とフジが追放した「テレビ長崎」のドン
カテゴリ:事件・社会
5月9日、読売新聞東京本社版27面に「テレビ長崎会長が辞任」との見出しを掲げた120文字のベタ記事が掲載された。
〈テレビ長崎(長崎市、KTN)は8日、代表取締役会長の金子源吉(85)が4月27日付で辞任したとåした〉
辞任理由は「一身上の都合によるもの」という。地元の長崎新聞は200字弱で、金子の経歴をやや詳しく伝えたに過ぎない。九州のブロック紙、西日本新聞に至っては、人事情報として「退任 金子源吉」とだけ紙面化した。
金子源吉がフジテレビ系列のKTNの社長に就任したのは1986年。以来社長、会長として同社に君臨してきた。源吉の実父、金子岩三は佐賀県唐津市の金子漁業(現・金子産業)の創業者で、KTN設立にも関わっている。衆議院議員として農林水産大臣まで務め、金子一族による長崎の政財界支配を確立した。岩三亡き後は、源吉の実弟、原二郎が衆議院議員から長崎県知事に転じ、政界を担当、自らは財界を引き継ぐという盤石の分業体制を取ってきた。
そんな実力者の辞任報道にしては、あまりに素っ気なく意図的に無視している印象すら受ける。その経緯と背景を探ったところKTNの3人組に行き着いた。
「読売に書く」と詰め寄った
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