2020年11月号
これってコロナ便乗商法?
花王 浴室洗剤「99%ウイルス除去」のいい加減な根拠
カテゴリ:クレーム・広報
コロナ禍で、消費者は「消毒」「除菌」「ウイルス除去」などの言葉に過敏に反応するように。
消費者庁表示対策課によると「新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品等の表示」を行った企業に対しては、厳しく行政指導を行っている。しかし、コロナ絡みの優良誤認は、巧妙に仕組まれることが多く、いまだ〝新種〟の便乗商法が後を絶たない。そんな中、超大手有名企業の広告展開について、疑問を呈する声が読者から上がっている。
〈花王・バスマジックリンの阿部サダヲが出ている新CMを見ましたか? 今までバスマジックリンは、風呂場や浴槽の湯垢を取るための洗剤だと思っていたのですが、いつの間にか「99%ウイルス除去」とCMで謳うようになってしまっています。
これは何か成分に変更があったのでしょうか。それともただコロナに便乗した〝引っ掛け〟でしょうか〉(読者のメールより)
湯垢落としがウイルス除去に?
花王バスマジックリンは、1970年代に発売された誰もが一度は使ったことがある浴室用洗剤だ。いつの間に「99%ウイルス除去」の商品になったのか?
CMを見ると、確かに阿部サダヲが「ウイルス除去」を連呼し、「ウイルス除去」の文字が画面を埋め尽くす。花王の公式ページの「バスマジックリンSUPER CLEAN」のサイトを見ると、「汚れ・菌・黒カビ胞子」に加え、「ウイルスまで除去」の文字が大きく踊り、スタンプを押したような「99%ウイルス除去」の文字も目立つ。
コロナ禍のこのご時世にこのようにアピールされたら、「本当に99%もウイルスが除去できるなら......」と期待を持たされる。
しかし、この広告には但し書きが付いていた。よくよく見ると、小さく欄外に「すべての菌・ウイルスを除去するものではありません」との表示がある。そしてその後に、「エンベロープタイプのウイルス1種類で効果を検証」とも書かれていた。
1種類? これは「ふざけるな!」と言いたいレベル。たった1種類しか調べていないのに、あたかもこの世のウイルスをほとんど死滅させるかのような広告を打っているのだ。
花王はいつからこのような広告展開をしているのか。
......続きは本誌ZAITEN2020年12月号をご覧ください。