2020年12月号
JR九州が「サラ金」広告を大展開
JR博多駅を占拠した「プロミス」広告に異議あり
カテゴリ:クレーム・広報
JR博多駅は、新幹線の発着駅でもあり、九州の玄関口ともいいえるターミナル駅である。そのような駅で消費者金融の広告映像が1社独占エリアジャック型プロモーションとして朝から晩まで流されているという。
〈私は毎日、JR博多駅を利用しているサラリーマンです。JR博多駅には、数年前からオーロラビジョンやコンコースの柱にデジタルサイネージが設置され、それらにテレビCMなどの動画を流すことができるようになり、華やかな都市空間をつくっています。
しかしある時、それらで一斉に消費者金融の「プロミス」のCMが音声付きでガンガン流され、まさに駅全体がプロミスだらけといった状態でした。
朝、出勤前に駅を通った時、その光景を見て「コロナ禍のこのご時世に駅でサラ金の広告なんてやめてもらいたいな」と思いながら通り過ぎましたが、帰宅する際にも、まだ同じ広告が流れ続けていたのです。
そして、その状態が何日も続いているのです。最初はあきれて見ていましたが、JR九州がこの宣伝を一向にやめる気配がないので、心配になりメールをしました。公共の施設であるはずの駅で、これはないと思います。
テレビでさえ消費者金融関連のCMは、多重債務者や青少年への配慮などから放送時間枠や数などに制限を設けるなどして自粛しているのに、駅にはそうしたルールがないのでしょうか。広告を流すのをやめてもらうには、どうすればいいのでしょうか〉(読者のメールより)
駅全体がプロミス一色!?
コロナ禍で、経済全体が低迷するこのような時期に、敢えて消費者金融の広告を流すのはカネのためだろう。JR九州にとって広告収入を考えれば、消費者金融のこれほど大量の広告は喉から手が出るほどほしいものに違いない。
この件につきJR九州広報部に聞いたところ、プロミスの広告は9月28日から10月4日まで7日間流されたという。
「広告は会話をしているような内容で、1ロール60秒のものを繰り返して流している状態でした」と、淡々と説明する。
「駅全体のキャンペーンではない」と説明したが、大々的に広告展開をしていた事実は認めた。
「実は、読者さんと同様のお声を広報部にもいただいております」と他にも苦情が出ていることも認めたが、JR九州がその声に真摯に向き合った様子はない。
JR九州では、駅構内での広告の採用基準をどう考えているのか。
続きは本誌ZAITEN2020年12月号をご覧ください。