ZAITEN2021年4月号
新クレーマーズ・レポート
三鷹市役所「駅前公衆喫煙所」が象徴する民度の低さ
カテゴリ:クレーム・広報
2018年の健康増進法改正により、各自治体では条例などを設け受動喫煙防止対策を強化している。厳しい自治体では、喫煙マナーを守れない違反者には過料を課すことができるところも多い。今となっては、公共スペースで喫煙を控えることは、社会人として当たり前のマナーになり、喫煙者の数も年々減少傾向にある。しかしその一方で、都市部では屋内外で最新の空気清浄機などを装備した「公衆喫煙所」なるものが続々出現している。
〈昨年末、JR三鷹駅南口の駅前広場の一角にある「緑の小ひろば」に、突如、プレハブ小屋のような喫煙所が設置されました。
もともと、駅前の歩道橋に屋外喫煙所がありましたが、少し前に撤去されていました。その後、三鷹駅周辺でマナーの悪い喫煙者やタバコの吸い殻が落ちているところを私は一度も見たことがありませんでしたので、なぜ今になって喫煙所を作ったのか疑問です。 喫煙所の周辺は憩いの場所で多くの三鷹市民が利用しています。この喫煙所は即刻撤去すべきだと思います〉(読者のメールより)
受動喫煙を生む公衆喫煙所
この喫煙所は三鷹市が公衆喫煙所として設置したものだ。多くの人が行き交うターミナル駅の駅前に喫煙所とは、三鷹市の受動喫煙防止に対する意識が疑われる。
現場を確認したところ、最近首都圏で増えているコンテナタイプの閉鎖型喫煙所で、バリアフリー対応なのか、スロープまでついている。しかし、年末には完成していたというのに、まだ利用されていないようだ。この喫煙所のある場所は、子どもたちに人気の「ジブリ美術館」へ通じる玉川上水沿いの遊歩道への入口になっている。また、喫煙所の周囲にはベンチが配置され、市民の憩いの場になっていた。いくら喫煙所に空気清浄機が設置されていても、その横を通れば、出入口や換気口などから漏れ出る煙で受動喫煙が発生するだろう。
三鷹市では今年4月から受動喫煙防止条例を施行する。喫煙ルールを守ることができない違反者には、過料も課すことができるようになる。このタイミングで公衆喫煙所の建設とは、なぜだ?
続きは「ZAITEN」2021年4月号で......