2021年06月号

不況下も〝どこ吹く風〟で取材費は潤沢

【NHK特集】受信料収入「7000億円」で職員の好待遇

カテゴリ:事件・社会

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 NHKの前田晃伸会長が打ち出している人事制度改革が、局内で波紋を広げている。今年度から2023年度までの中期経営計画の重点項目のひとつとして実施されているものだが、職員にとっては初めての大きな改革になっているからだ。導入された制度のひとつが50〜56歳の職員を対象に募集する早期退職。今年4月から23年度末まで3年間募集する。前田会長は今年2月の定例会見で「人件費を減らすために頭数を減らすという発想はまったくない」と述べた。また、22年度以降は役職定年制も導入して管理職を減らすという。

 この他にも、記者、ディレクター、アナウンサー、カメラマン、技術、企画編成などの職種別採用を22年度入局職員から廃止することや、40代の職員を社内公募で地方局の局長に抜擢することも発表された。みずほフィナンシャルグループの社長・会長を歴任した前田会長が、歴代の会長が触れなかった人事面の改革に大きく切り込んだと言える。この改革に対して、現場では若手の職員を中心に支持する意見も多いという。

「早期退職も役職定年もいずれは導入が避けられなかったものではないでしょうか。管理職が多すぎるのは問題です」(30代記者)

 しかし、改革の実効性に疑義を唱える声もある。

「NHKは管理職になってから年収が跳ね上がる給与制度になっている。しかも、高給をもらえる再就職先もあります。この高待遇を手放す人がどれだけいるのか疑問ですね」(40代中堅職員)

 NHKの高待遇とはどれほどのものなのか。現役職員たちの生の声と資料から紐解いてみたい。

管理職手当は「破格」

 公共放送のNHKは役職員の報酬や、職員給与の支給基準をホームページで公開している。21年度の前田会長の年間報酬額は3092万円。理事の年間報酬額は、2206万円だ。この額は業績によって変動する。

 一方、20年度の時点で1万343人在籍する職員の年収については、次のように記載されている。

〈大卒モデル年収では、30歳で530万円、35歳で661万円(2020年度)〉。しかし金額はあくまで「モデル年収」であり、残業が付くほか、扶養補助、地域補助、住宅補助などを含む家族手当や、単身赴任手当もある。なんと都心の広尾と目白には超格安に住める「NHK寮」がある。

......続きは「ZAITEN」2021年6月号で。

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