2021年06月号
新クレーマーズ・レポート
ウーバーイーツ「危険運転配達員のクレームは警察へ」と案内!?
カテゴリ:クレーム・広報
コロナ禍の宅配需要増で、日本国内でも急激に利用が広がるウーバーイーツ。米ウーバー社の開発したオンラインフード注文・配達プラットフォームを通し、配達員と飲食店をマッチングするというもので、日本ではウーバー・ジャパンによって2016年からサービスが開始された。現在35都道府県でサービスが提供されている。
「Uber Eats」と書かれた大きなバックパックを背負い、自転車やバイクに乗った配達員たちが、通りを縦横無尽に走る様子をよく見かけるが、それもそのはず、ウーバーイーツの配達員は全国に約10万人いるともいわれるのだ。
その一方で、マナーを守らない配達員たちが引き起こす交通事故が深刻な社会問題になっている。
配達員の交通事故が多発?
〈家族がウーバーイーツの配達員のバイクに背後から追突されそうになったので、ウーバーイーツにこの危険運転についてメールで報告することにしました。
ところが、ウーバーイーツの事件事故担当部署というセクションの人は、「当部署で、できる限り対応を取らせてまいりましたが、お力になれず申し訳ございません」とメールが返ってきました。
簡単に話を終わらせようとするので食い下がると、「ウーバーのアプリをオンラインにしていない配達パートナーの特定は非常に困難で、当担当部署では不可能」「配達パートナーが特定できないケースについては、法執行機関(警察)へ相談していただくことをお願いしております」と、ネットのFAQのような回答が返ってきただけで、他の部署と連携するわけでも、上司に取り継ぐわけでもなく、ウチには関係ないといった態度でした。
配達員がウーバーの社員でないことは知っています。しかし、大事故になりかねない危険なバイク運転をしていたのに、「対処のしようがない」で済ませていいのでしょうか。「直接警察に相談しろ」という対応は、企業として無責任だし、当該バイクを特定できないのもシステムの欠陥だと思います〉(読者のメールより)
ウーバーイーツの配達パートナーは個人事業主で雇用関係はない。また、ウーバーはあくまでもプラットフォームを提供しているだけだと事あるごとに主張してきた。しかし、ウーバーのバックパックを背負い〝ウーバーの人〟として仕事をしている以上、その行動にウーバーは責任を持たないというのはおかしな話。利用者も配達員個人に依頼したのではなく、ウーバーに依頼したと思っている。
ウーバーイーツの配達員による交通事故や危険運転については、マスメディアでも多く取り上げられている。昨年には大阪でウーバーイーツの配達員の自転車に追突され、ケガを負った60代の女性が、配達員に対するウーバーの使用者責任を巡って訴訟を起こしている。
この件につき、ウーバーイーツの広告代理店であるサニーサイドアップの末澤氏に取材を申し込んだ。
すると、「ウーバーでは配達パートナー登録時に交通ルールに関する学習、ハンドブックの交付、ヘルメットの着用のご案内をしています。また、警察にご協力いただき交通安全情報の配信、警察との協同による交通安全講習、夜間反射板の配布などを行っています」と一応の交通安全対策について語る。
しかし、それは希望者のみで配達員全員に義務付けているものではなかった。
......続きは「ZAITEN」6月号で。