2021年06月号
マスターズ初制覇の表彰式で見せた
松山英樹の「向上しない英語力」
カテゴリ:スポーツ・ゴルフ
日本人選手が参戦して85年、松山英樹が日本人として初めて世界最高峰の「マスターズ・トーナメント」で優勝した。
優勝が決まると、中継していたTBSの解説席では中嶋常幸がティッシュを取り出して目頭を押さえ、その場の3人が喜びのあまり声が出てこない〝沈黙の55秒〟が話題となった。
松山のメジャー優勝は決してマグレではなかった。
2014年3月に東北福祉大を卒業して渡米し、米ツアーに本格参戦。5月末の「メモリアル・トーナメント」で早くも米PGAツアー初優勝を果たし、1年置いて16年に2勝目、翌17年には2勝を挙げた。その後3年間は優勝できずにいたため苦戦が伝えられたが、実は7年間にわたり、コンスタントにPGAツアーでトップ10入りを果たして年間ランキングでは30位以内を続けていた。
米ツアー3勝を挙げた丸山茂樹は、「30位内を7年間続けたのは日本人では初めてですし、アメリカツアーでも3人しかいない。これを理解してくれれば、彼の凄さが分かってくれるんじゃないかと思います」(4月15日、NHK『クローズアップ現代+(プラス)』)と、その偉業を讃えている。
米ベテラン選手から言われた侮蔑的な一言
〝ゴルフバカ〟―ゴルフの上達だけを目標にしてストイックに練習に励み、他のことを犠牲にしてきた松山はこう称されることが多い。その姿勢は批判にも晒されてきた。
ひとつは「自分勝手さ」だ。
「松山は日本で戦っていた時からスロープレーで他のプレーヤーを苛立たせ、それを公然と批判する選手も少なくありませんでしたが、彼はまったく気にかけていませんでした」(ゴルフ担当記者)
海外へ行ってもそれは変わらなかった。13年の全英オープン3日目。首位に3打差に迫っていた松山は17番ホールのティショットを曲げてブッシュに入れ、2打目をなかなか打たなかった。その前の15番ホールのバーディパットで1分12秒をかけて警告されており、17番の2打目では2分12秒もかけて2回目のスロープレーとして1打罰を課されたのだ。
......続きは「ZAITEN」2021年6月号で。