2021年08月号
小池百合子「友敵の論理」に振り回される1400万都民
【無能首長 特集】お気に記者で厚化粧「小池都政」の不毛
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小池百合子東京都知事(写真は公式サイトより)
女性初の都知事として大都市・東京に君臨する小池百合子はまさに「女帝」と評するにふさわしい。新型コロナウイルス対策や東京五輪・パラリンピックの開催を巡っては、国政に「政局」を仕掛けるなど飽くなき野心も隠さない。だが、こと足下の都政に目を向けると、「砂上の楼閣」が浮かび上がる。頼みのメディアや都の官僚機構は小池と距離を置き、傀儡としてきた地域政党も風前の灯だ。女帝の権力基盤は空洞化の一途を辿っている。
権力の階段を駆け上がってきた小池が利用してきたのがメディアだ。キャスター出身ならではの耳障りの良いフレーズを武器に露出を増やし、存在感を高めてきた。環境相時代には旗振り役として「クールビズ」を流行らせ、「3密」は昨年の「新語・流行語」の年間大賞を獲得した。だが、その"神通力"にも陰りが見え始めているのだ。
"指名トップ"フジ女性記者 「ファクトではない」
小池は6月11日の記者会見で、ある記事に怒りを爆発させた。それは、都が東京五輪のパブリックビューイング(PV)の全面中止を検討との時事通信の独自記事だ。PVを巡っては各自治体が相次ぎ断念を表明し、都の判断に俄かに注目が集まっていた。都が検討するのは当然のようだが、小池は「事実誤認」と断定し、抗議文も送ったと明かした。 「知事がここまで公然と報道にキレるのは珍しい」。都政担当の記者は驚きを隠さない。際どい話はうまく煙に巻くのを常套手段とする小池がここまで立腹する姿を見せるのは稀だ。自身が脚光を浴びるチャンスをメディアに潰されたとの苛立ちが見え隠れする。結局、舌の根も乾かぬわずか8日後、小池は全面中止を表明した。
2016年に都知事に就任して以来、小池はメディアを巧みにコントロールしてきた。代表的なものが、メディアを「与党」と「野党」に分ける手法だ。お膝元の都庁記者クラブでは、その与党の役割は民放キー局の記者に与えてきた。〝筆頭格〟が、フジテレビの都庁担当記者の小川美那である。 小川は政治部や経済部などで主要な担当を歴任し、02年には独占映像として拉致被害者の横田めぐみの娘のキム・ヘギョンのインタビューを流したことで知られる。大手紙記者によると、小川は小池の防衛相時代に担当となり距離を縮めたという。小池が都庁入りして以来、都政をカバーしている。さらに、今も取締役相談役としてフジに君臨し続ける〝絶対権力者〟日枝久の「お気に入り記者の一人で、社内ではお台場へのカジノ誘致も視野に入れた配置と囁かれた」(同社関係者)という。
その「お気に入り」ぶりは記者会見の場でも一目瞭然である。
......続きは「ZAITEN」2021年8月号で。