2021年08月号
公私にわたり軽率な言動を連発する維新コンビ
【無能首長 特集】コロナ死者数最多「松井&吉村」選んだ大阪府民の代償
カテゴリ:政治・国際
吉村洋文知事(写真は公式ホームページより)
大阪府内にある医療系の大学で、初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されたのは、昨年の秋頃だった。以降、現在まで数人が報告されている。感染した学生は、居住地の保健所からヒアリングを受け、大学にも通知された。当該学生がマスクをせずに会話・会食するなどした友人らは濃厚接触者と認定され、PCR検査を受けた。
保健所の対応は迅速で、検査で陽性であることがわかると、即座に大学に連絡が入った。ところが新学期が始まる今春は、保健所からの連絡が数日遅れることが目立った。大学で看護学を教える教員が振り返る。 「感染者が増えたから保健所は手いっぱいみたいで、前みたいにすぐには対応できないようだった。患者さんが治療を受けられないまま自宅で亡くなっているニュースを見ると、大阪の医療現場は崩壊状態に近いんじゃないかと思った」
昨年度から、高齢者施設や病院での看護実習は、感染拡大の恐れと受け入れ態勢が十分でないことなどから、断られるケースが増えた。大学側は授業の対応に追われている。
コロナ死者数は全国最多
感染者を乗せたダイヤモンド・プリンセス号の横浜港埠頭への寄港、志村けんの死亡......新型コロナウイルスの猛威は、当初は関東が先行した印象があった。昨年の夏以降は、私が住む大阪でも1日の感染者が2桁を超える日が続いたため、吉村洋文大阪府知事は昨年7月3日、感染拡大と収束状況を判断するための独自基準となる「大阪モデル」を発表。感染経路不明者数や陽性率などを指標に厳格な基準を設定し、警戒レベルを信号機にたとえて「赤」「黄」「青」の3段階とし、府民にわかりやすい目印を示した。先進的な取り組みは、全国から称賛された。
ところが7月上旬に感染が急拡大すると、指標を追加・変更し、最も警戒を要する赤信号をともりにくくした。これでは何のために基準を設けたのか、という疑問はぬぐえない。そのうち「大阪モデル」は、話題にすらのぼらなくなった。 〝最悪の事態〟に備えた重症病床の確保計画もぶれ続けた。昨年4月1日、吉村府知事は、1日1000人以上の新規感染者を想定し、最大500床の重症病床の確保をぶちあげた。
その6日後に緊急事態宣言が発令されたが、しばらく感染者が1日100人未満に落ち着いついたため、7月には当時の東京都の最多感染者206人を基準にして、重症病床の確保を215床にまで減らした。当初の計画の半分以下である。これが完全に裏目に出る。
......続きは「ZAITEN」2021年8月号で。