ZAITEN2021年9月号
JGTO青木功「会長続投宣言」に石川遼ら選手会理事も唖然
カテゴリ:スポーツ・ゴルフ
今年6月3日から6日まで、茨城県の宍戸ヒルズCCでJGTO(日本ゴルフツアー機構)唯一の主催公式戦「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」が行われた。
その本戦2日前の6月1日の練習日には、クラブハウスのコンペルームで、毎年恒例の選手会の理事会が開かれていた。出席していたのは、時松隆光会長をはじめ、副会長の池田勇太、石川遼など数人の理事らだった。 議題は前月に選手会が主催となった初の「ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップbyサトウ食品」についての報告など、特に喫緊の課題もなく、淡々と議事は進行されていった。
ところが、その理事会終盤、突然、JGTOの青木功会長と上田昌孝専務理事、村田一治理事の3人がコンペルームに入ってきた。 場所はJGTO主催大会のゴルフ場内。主催者幹部として顔見せするのはなんら不思議なことではない。選手会幹部らも挨拶程度の顔見せだろうという様子だった。
ところが、青木会長が発した第一声の内容は軽く挨拶程度では済まないものだった。
「もう1期(JGTOの会長職)やりたいので宜しく」 まさに続投宣言だった。
咄嗟のことで選手会理事らは返す言葉もなく唖然としていたという。
この時、青木会長に同行した2人の理事は腹心といわれる人物で、村田理事に至っては現在も青木会長の個人会社「青木功ゴルフ企画」の社員を兼務している。
この発言が欠席していた選手会の理事や、選手に瞬く間に広まったのは言うまでもなく、反青木体制といわれる選手の間では反発が起きているという。
青木が2016年に会長に就任してすでに3期目。すでに初代会長に次ぐ長期政権を担っている。当初は2期限りで身を引くと本人も宣言していた。それがズルズルと4期目に突入しようとしているのだ。 「世界の青木の名声で試合を増やし、JGTOを立て直す」の命題で青木を担ぎ出したのは選手たちだったが、その思惑は見事に外れて、試合は減り、女子プロに比べ男子ツアーの人気低迷ぶりはご存じの通りだ。
青木会長の不適切対応で、日本最高賞金額(賞金総額2億3000万円、優勝5200万円)だったトーナメントの主催者を怒らせて消滅、また、今年から中部地方で開催されるはずの新大会もJGTOの不手際で白紙だ。それらの説明もなされていない中での続投宣言だった。 さらに、人気回復策として打ち出された「ゴルフFAN! プロジェクト」や選手の肖像権でのフォトサービス事業もほとんど効果が見られず、財政のピンチは続いている。 昨年3月のJGTOの総会で青木体制が再任されたが、その裏では幹部理事の退任を求める選手たちによる署名活動が行われていた。すでにその時から始まっていた「青木体制不信任」。
しかし、それをどこ吹く風とばかりに続投を宣言した青木会長。こんなノー天気な神経で本当に会長が務まると思っているのだろうか。