2021年08月号

佐藤会長の“懐刀”を斬って「興銀vs.興銀」内紛は激化

みずほ坂井"焼け太り"に「金融庁激怒」

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「お上(金融庁)の怒りはいつになれば収まるのか」――。傘下のみずほ銀行が2月末から2週間足らずで4件のシステム障害を起こしたみずほフィナンシャルグループ(FG)。6月23日の株主総会を控え、問題の幕引きを急ぐ社長の坂井辰史(1984年旧日本興業銀行)周辺では、こんな疑心暗鬼の声がしきりだ。

 背景には「グループ総帥としての責任を省みず、システム障害を逆手に自らの権力基盤を固めて"焼け太り"を図ろうと画策する坂井に対する不快感がある」(監督局筋)。実際、坂井は「責任の明確化」を口実にシステム担当だった専務の石井哲(86年旧興銀)の取締役退任を早々と決めた上、石井が兼務する銀行副頭取ポストも召し上げる腹だ。さらに、みずほ銀頭取の藤原弘治(85年旧第一勧業銀行)については、予定された銀行会長就任を取り止めさせる人事をマスコミに密かにリーク。

 対照的に坂井自身は6カ月間の役員報酬半減という甘い処分でお茶を濁し、社長に居座るつもりだ。会長の佐藤康博(76年旧興銀)と旧興銀勢同士の醜悪な権力闘争を展開する坂井は、今回の不祥事に乗じて佐藤の"懐刀"の石井と、出身行は異なるものの佐藤が「水戸黄門の助さん格さんのような存在」と称して重用した藤原を一気に放逐し、「坂井一強支配」への転換を画策しているというから開いた口が塞がらない。

 みずほのガバナンス不全を重大視する当局が怒り心頭なのもむべなるかなである。

......続きは「ZAITEN」8月号で。

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