ZAITEN2021年09月号
杉山社長は辞任しても“黒幕”柵山会長は居座り
三菱電機「人命よりカネ」の強欲役員たち
カテゴリ:企業・経済
三菱電機 柵山正樹会長(写真は公式サイトから)
収益目標から特許申請件数まで社員に過大なノルマを課して馬車馬のように働かせ、命を落としても知らん顔。顧客に約束した契約を守らずに作った製品を売りつけ、発覚しても「安全に問題はない」と開き直る。その裏で経営陣は「業績連動報酬」を口実に億単位の高給を食む――。
そんなブラック企業ぶりが満載の三菱電機の腐食経営が改めて浮き彫りとなった。長崎製作所が製造する鉄道車両向け空調装置などで35年にもわたる検査不正が新たに発覚したからだ。激しい世論の批判を受けて、社長の杉山武史が引責辞任を表明したが、近年、他の製品でも不正出荷が繰り返され、現場社員の過労やパワーハラスメントによる自殺も後を絶たない悪質かつ非人道的なカルチャーは、杉山だけのクビを差し出したところで改まるものではない。
反省なき社風は、杉山の前の社長としてブラック経営を推し進めてきた「A級戦犯」である会長の柵山正樹が何ら責任を感じていないことに象徴されている。柵山は「社内調査がまとまる9月まで財界活動を自粛する」と公表したが、単にほとぼりが冷めるのを待つだけで、経団連副会長ポストを続投するつもりという。三菱財閥系グループ企業でつくる金曜会の有力メンバー企業からは「スリーダイヤのマークを汚している」(三菱商事幹部)と辛辣な声も出ているが、柵山ら経営陣は聞く耳を持たないようだ。
......続きは「ZAITEN」9月号で。
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