ZAITEN2021年10月号
スキャンダルを奇貨に「広域再編」を画策
山口FGを"タマ"にする金融庁の筋悪
カテゴリ:企業・経済
山口FG 椋梨敬介社長(写真は公式サイトより)
仏教で地獄を意味する「奈落」。山口銀行(山口県下関市)と北九州銀行(北九州市)、もみじ銀行(広島市)を傘下に持つ山口フィナンシャルグループ(FG)の経営陣は今、まさに奈落の底に突き落とされた心境だろう。
超低金利や人口減少の加速で融資依存のビジネスモデルが崩壊する中、山口FGは「地域価値向上会社」への転換を掲げた前代表取締役会長兼グループCEO(最高経営責任者)の吉村猛の下、他行に先駆けて地元の特産品の販売ルートを開拓する地域商社や、人材派遣会社、観光振興会社などを相次ぎ設立。金融庁はこの動きを「地銀のビジネスモデル改革のお手本」(遠藤俊英元長官)などと盛んに持ち上げてきた。
それが、ワンマン経営の弊害や女性スキャンダルを巡る内部告発をきっかけに吉村が取締役会で会長兼CEO職を解任されると一転、「ガバナンス(企業統治)の欠如」(監督局筋)を騒ぎ立てる"掌返し"に打って出ている。
山口FGのワンマン経営を散々持て囃しておきながら、不祥事を起こせば行政責任は頬被りという態度に地銀界では金融方への不信感が広がっている。
......続きは「ZAITEN」10月号で。
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