ZAITEN2021年11月号

金融庁の「監督責任」問題にも波及する――

【みずほ特集】坂井クビで「金融庁管理銀行」に一路

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坂井辰史社長(写真は公式サイトより) 

今年に入って7度もの銀行システム障害を繰り返し「メガバンク失格」(当局筋)の烙印を押されたみずほフィナンシャルグループ(FG)。

 再発防止はおろか原因究明さえままならない惨状に、金融庁内ではFG社長の坂井辰史(1984年旧日本興業銀行)や会長の佐藤康博(75年同)の引責辞任にとどまらず、当局が事実上の経営差配に乗り出す「金融庁管理銀行」構想が浮上している。

 後任会長には外部の財界人か、金融庁・日銀の有力OBを据えて「組織を一から立て直す」(監督局筋)構えという。

 実際、金融庁は今年3月以降、みずほFGに対する検査を半年以上にわたって続行しており、「ガバナンスの不全ぶりは、不良債権を隠した旧UFJホールディングス(HD)や、実質国有化されたりそなHDに匹敵する」(幹部)との厳しい声も漏れる。

 みずほの内部人材には「当事者能力がない」と判断しているようで、2000年の旧興銀、旧第一勧業銀行、旧富士銀行の3行統合以来20年以上続いた3メガバンク体制の終焉につながる可能性もある。  ただ、大規模障害や反社会的勢力向け融資問題など不祥事を頻発させてきたみずほの安易な経営を許してきた監督当局の責任も重大で、世論の批判の矛先は金融庁にも向けられている。

後任トップも人材払底

「門出の日に障害が起きたことはまさに痛恨の思いだ」―。全国のみずほ銀行とみずほ信託銀行で店頭取引が一時できなくなった8月20日。今年5度目となるシステム障害を受けて、同日夕に開いた謝罪の記者会見で、FG社長の坂井はこう切り出した。「門出の日」と述べたのは、22年前の99年に母体3行の当時のトップが00年秋に持ち株会社を設立して経営統合することを発表した「記念日」だったからだ。

 当時の会見で「収益力、資本力、サービス力で世界の五指に入りたい」とぶち上げた旧興銀頭取の西村正雄(55年入行、故人)は、坂井みずほの惨状に草葉の陰で泣いていることだろう。みずほは2~3月にATMの全面停止や外為送金の不能など立て続けにシステム障害を起こし、6月に再発防止策を打ち出したばかりだった。その舌の根も乾かないうちのトラブル再発は、02年と11年に大規模障害を起こし「経営の最大の鬼門」とされるみずほのシステム問題の深刻さを改めて印象付けた。 

......続きは2021年11月号で。

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