ZAITEN2021年11月号
コロナワクチン職域接種を我田引水
太陽生命「ワクチン営業」に会長独裁
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田中勝英会長(写真は公式サイトより)
本誌前号の《今月の怪文書》欄で紹介した〈中堅生保の「コロナワクチンで営業」疑惑〉――。
コロナワクチン接種を〝エサ〟にして保険営業を展開する「中堅生保」の所業とその企業倫理についての告発だったが、読者の反応は素早かった。本誌10月号が発売された9月1日からそう日を置かずして複数の情報提供が寄せられたのだった。
その中堅生保こそ、T&Dホールディングス(HD)傘下の太陽生命に他ならない。
社員後回しでVIP接種
「日経新聞に掲載された『ZAITEN』10月号の広告に載ったタイトルを見て、ウチのことだと即座に分かりました」 と語るのは、太陽生命の中堅幹部だ。同氏によると、内情は本誌前号で触れられた通りだといい、しかも、首脳陣が主導する形でコロナワクチンの職域接種が営業ツールに堕しているという。 「記事にもありましたが、接種対象と想定される社員数をはるかに上回るワクチンを当局に申請しています。その数は、申込受付の初日だけで実に6000回分と聞いています。ウチの社員数は内勤で2300人、営業職員で8500人弱、合計すれば1万人を超えますが、営業職は全国に散らばっていますし、全員が職域で接種するわけでもない。どう考えても、6000回分を社内だけで消化することはできないはずです」(同)
実際、人事部門が「VIP接種者リスト」を作成、そこには取引先などがズラリと並んでいるという。中でも、VIPに指定された人物が接種で来社する際は、役員や担当の部長が丁重に出迎える。別の本社社員は、そのVIP接種者の中には「全国紙の局長など、特定の親しい間柄のマスコミ関係者がリストアップされている。そういった人が接種に来ると、広報担当役員が歓待する」と明かす。
ただ、T&DHDの他のグループ会社には社外のVIP接種がバレないよう、各社が入居する東京日本橋タワーではなく、隣接する太陽生命日本橋ビルの会場を用意する念の入れ様なのだとか。
社外のVIPにはワクチンをダシに媚び諂う一方、営業職員の状況は悲惨だという。そもそも、ワクチン接種においても社員はVIPの後回しで、次いで役職者と本社職員、そして最後に近隣支社所属の営業職員という順番。それどころか、今もってしても、飛び込み営業を強いられているというのだ。
......続きは「ZAITEN」11月号で。