ZAITEN2021年12月号
自社工場でクラスター発生も“創業家父子”に反省なし
アイリスオーヤマ「社内クラスター発生」でも洗脳研修
カテゴリ:企業・経済
大山健太郎会長(写真は公式サイトより)
生活用品大手アイリスオーヤマの公式サイト上に〈新型コロナウイルス感染者の集団発生について〉と題するリリースがアップされたのは9月3日。宮城県角田市の拠点施設、「角田I.T.P.」に勤務する従業員3人が前日2日までに新型コロナウイルスに感染、〈本日10名の集団感染が新たに判明〉と告知した。アイリス社内では、その後も検査で新たな感染者が確認され、9月13日付のリリースでは計42人の集団感染を公表。感染経路を追う中で次々と陽性者が判明し、クラスター(感染者集団)が急拡大した。
自社施設でのクラスターの発生に経営陣はさぞ猛省しているだろうと思いきや、そうでもないらしい。関係者によると、クラスターの拡大が懸念された9月下旬、宮城県内のリゾートホテルで、全国から幹部社員を約90人集めた7日間の幹部研修会を実施していたというのだ。この時期、宮城県下では国のまん延防止等重点措置と県独自の緊急事態宣言が発令されていた(10月1日に全面解除)。しかも、アイリスグループでは9月に発生したクラスターとは別に断続的に新型コロナの感染者が確認されており、全国各部署の感染者を合わせると9月末時点の累計で100人を超えていたという。
"独特"な洗脳研修
アイリスを巡っては、宮城県独自の緊急事態宣言が出ていた今年4月、角田施設で四半期ごとに開催される幹部研修会・懇親会を100人規模で行い、参加者の一部がアルコール類を持ち込んで飲酒していたことは、本誌8月号で報じた通り。参加者の内、35人が公共交通機関を利用した都道府県を跨ぐ参加者だった事実、大山健太郎会長の主導であったことも認め、幹部社員やその家族に謝罪した。にもかかわらず、舌の根も乾かぬうちの大規模会合。今回は大山晃弘社長が強行したという。
「今回も緊急事態宣言下で全国から様々な部署の社員が参加しました。公共交通機関を使うのですから、社員やその家族だけでなく、当社とは無関係な方々をも感染リスクに晒すことになる。人命を軽視しているとしか思えません」(前出関係者)
......続きはZAITEN12月号で。