ZAITEN2021年12月号
「コロナワクチン」を利用してやりたい放題
太陽生命「コロナワクチン営業」に"内部告発"が続々
カテゴリ:企業・経済
田中勝英会長(写真は公式サイトより)
先月号で報じた太陽生命の「コロナワクチン営業」の実態が反響を呼び、その後も続々と新情報が本誌に寄せられている。
コロナワクチンの職域接種が始まった今夏、市中では多くの接種希望者が接種できずに取り残される状態が続いていた。ちょうどそんな時期、太陽生命では大口顧客企業の幹部や懇意のマスコミ関係者、役員の家族などの"VIP"に向け「コロナワクチン接種」を積極的に持ち掛け、東京・日本橋の本社ビルに招き寄せ〝接待営業ツール〟に使っていた。一方で、ワクチン接種が必要な対面営業の最前線に立たされる自社の営業職員たちは後回しにされ、担当者がコロナに感染しても「自己責任」と言わんばかりの冷酷な注意喚起が出されるだけだった。
ワクチン接種を管掌する厚生労働省は「ワクチンそのものは、どこで接種をしてもよいことになっている」としつつ、「職域接種は企業がコロナワクチンを打つことができない社員に接種の機会を与えることが主な目的。"営業目的の利用"は、職域接種本来の主旨と食い違う」と指摘する。
「太陽生命と利害関係のある人だけが接種の優遇を受けることは、保険業法に抵触するのではと不審に思い、太陽生命の会場を利用することは控えた」と語るのは、実際にワクチン営業を持ち掛けられた企業の関係者。太陽生命の狙いは「団体信用生命保険(団信)」の占有率の拡大だったと見る。
ここでいう保険業法とは、保険業法300条第1項第5号の「特別な利益の提供を約束したり、提供する行為」のことを指す。接種費用は国の全額負担のため、そこには金銭のやりとりは発生せず、金融庁も「金銭や有価証券の授受ではないため、現段階では検証が必要」と及び腰だが、当時、コロナワクチンの接種は誰もが認める〝特別な利益〟だったと言える。
一方、太陽生命に接待を受けた企業の情報も
......続きはZAITEN12月号で。