ZAITEN2022年1月号
アンビリーバボー!
東京・杉並区 「母子像」購入で あきれた無駄遣い
カテゴリ:クレーム・広報
東京・杉並区では、「令和3年度補正予算」で1116万9000円を計上し「木彫母子像」の購入を決めたことが"大きな波紋"を呼んでいる。
この母子像は、縦112㌢、幅55㌢のクスノキ製の木像で、2021年1月に逝去し、日展理事長などを歴任した杉並区出身の彫刻家・橋本堅太郎氏の「つたえあい」という作品だ。「美術年鑑」で確認したところ、橋本氏の木彫は、上半身だけの作品でも1500万円以上と鑑定されていた。確かに〝巨匠〟の芸術作品には間違いなさそうだが、今なぜ自治体がこのような芸術作品を購入するのか気になる。
「杉並区は財政難で、子ども関連の予算を削減しているが、この木像を購入し、新設される『子ども・子育てプラザ』に置く計画があるようです。これは〝予算の無駄遣い〟では」(杉並在住主婦)
杉並区では、児童館が次々と廃止され、その跡地に乳幼児専用の子育てプラザを新設する予定になっており、その新施設の〝象徴〟として、木像を購入するのではと憶測を呼んでいるのだ。「児童館を利用していた子供たちは、新施設を利用できない。予算が余っているのなら、児童館を締め出される子供たちのために使うのが本筋だと思います」(前出主婦)
子育てや日々の生活に追われる区民には、児童館廃止で浮いた費用で"無益なモノ"を購入しているようにしか見えないだろう。
そこで、この母子像の購入費用が計上されている「令和3年度補正予算」を確認したところ、「芸術振興のための費用」ではなく、「区役所本庁舎等維持管理費用」として計上されていることが判明した。巨匠の芸術作品が〝備品扱い〟とは驚きだ。
この件につき、杉並区の広報担当者に取材したところ、「本庁に置くものはすべて本庁舎等管理費用として計上している」と語る。
......続きはZAITEN1月号で。