ZAITEN2022年2月号
何のためのバス時刻表?
東急バス 停留所と公式サイトで食い違う「時刻表」の言い分
カテゴリ:クレーム・広報
上が停留所、下が公式サイトの時刻表
2021年10月に東京・品川に引っ越したのを機に、近隣を走る東急バスの利用を始めた60代の男性が、こんな不満を漏らす。 「東急バスに乗って業務上の面談へ向かう前日の夜、東急バスの公式サイトで時刻表を確認し、翌朝、時間に合わせてバス停へ行くと、時刻表が公式サイトのものとは異なっていることに気づきました。どちらが正しいのか分からず、戸惑いました。幸い、面談に遅刻はしませんでしたが......」
確認すると、確かに男性の乗る路線の時刻表は公式サイトでは「平日」と「土休日」の2通りだが、バス停の時刻表は「平日」「土曜」「休日」の3通りに分かれている。
その後、男性が東急バスの営業所に電話をかけて聞くと、「申し訳ございません、バス停の時刻表が正しいものです。公式サイトの時刻表は17年改定のものが今も掲載されており、すぐに訂正します」とのことだった。それが11月初旬のことだが、1カ月半が過ぎた現在(12月14日)でも、公式サイトの時刻表は訂正されないまま放置されているのだ。
公式サイトでは、お客さまセンターへの問い合わせが年間5万件に上り、〈常にお客さまに寄り添い、その声を反映しています〉と書かれているが、時刻表の誤りを指摘する声はなかったのだろうか。男性が聞いた通り公式サイトの時刻表は《2017年11月1日改定》と表示され、すでに4年も過ぎている。
東急グループのバス事業は子会社の東急バスが運営し、現在、東京と神奈川で計97路線を運行。バス会社として全国上位に入り、保有車両数918台、従業員1698名、営業収益218億1600万円(21年3月期)に上る。
東急バスに聞くと、時刻表の問題は第一にコロナ禍の影響があったようだ。利用者数は最大で70~80%減となり、現在も30%減で推移している。そのため20年4月に、バス停に掲示されている通り通常の平日・土曜・休日の3通りのダイヤのうち、暫定的に土曜ダイヤを休日ダイヤに変更して2通りの運行とし、現在は順次、通常ダイヤに復帰しているという。
......続きは「ZAITEN」2月号で。