ZAITEN2022年05月号
プーチンに縋った「経済協力事業」で血税損失必至
安倍晋三「媚ロシア外交」の因果応報
カテゴリ:企業・経済
ウラジーミルと柔道観戦するシンゾー(19年5月)
「ウクライナで起きていることは通常モードを超えている。日本だけが自国のエネルギー事業を言って、あたかも何もなかったように振舞うことはあり得ない。ロシア向けの経済協力を進めていくのは難しい」
3月3日午後、東京・大手町の国際協力銀行(JBIC)本店で開かれた記者会見。総裁の前田匡史(1982年旧日本輸出入銀行=現JBIC入行)はこう力説し、ロシア最大手銀行ズベルバンクとのクレジットライン(与信枠契約)を解除する方針などをアピールした。ウクライナに侵攻したロシア・プーチン政権を非難した勇ましい発言に聞こえるが、経済界では「どの口が言っているのか」などと呆れる声が広がった。
前田は、「媚ロシア外交」を展開した安倍晋三の下で首相秘書官を務めた今井尚哉(82年旧通商産業省)ら官邸官僚と二人三脚で対ロ経済協力を猛烈に推進。血税を原資とするJBICマネーをプーチンプロジェクトにせっせと注いできた張本人だからだ。
JBIC前田の〝甘言〟
実際、前田は15年3月の産経新聞コラム「世界鳥瞰」では、クリミア併合後に米国による経済制裁でロシアが苦境にある事情を説明した上で「日本としては大局的見地から北方領土問題の解決を前進させるまたとない好機だ」と主張。ロシアと経済的な結びつきが強い欧州の立ち位置は米国とは異なるとし、「日本としては欧米の利害の間隙を突き、エネルギー資源を中心に実質的に対ロ関係で独自の国益を追求し、北方領土問題を前進させる戦略を構築していくべき時だ」などと嘯いていた。
......続きはZAITEN5月号で。
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