ZAITEN2022年05月号
大阪IRゴリ押し維新にリーガルチェックで違法性指摘
カテゴリ:事件・社会
日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)と吉村洋文副代表(大阪府知事)の2トップが大阪湾岸部で誘致を進めるIR(カジノを含む統合型リゾート)を巡り、府市の一連の手続きに重大な法的リスクが生じている。オリックスと米MGMリゾーツ・インターナショナルによるコンソーシアムを事業者に選定した公募プロセスなどが、弁護士によるリーガルチェックでIR整備法違反と地方自治法および地方財政法違反と指摘されたからだ。
全国に先駆けて2017年からIR誘致に乗り出した大阪府市は今年2月、オリ・MGM連合を中心に設立された「大阪IR株式会社」を事業主体として基本協定を締結した。初期投資額が1兆円超の巨大プロジェクトで、開業後は毎年2600億円の地元調達が行われると算盤を弾く。
ところが、である。大阪IR社を事業主体に選定するプロセスが著しく不公正・不公平であり、用地に対する公費負担も違法な支出であるとの疑義がリーガルチェックで浮上し、IR整備法を策定した国政与党である自民党本部も事態を注視しているという。
時系列で見ていこう。
① 19年12月 募集要項を公表
② 20年2月 参加資格審査に大阪IR社のみ応募
③ 20年12月 用地で液状化層の存在が発覚
④ 21年3月 募集要項を修正し追加募集
⑤ 21年6月 液状化対策費410億円の市による負担を決定
⑥ 21年12月 液状化・土壌汚染対策費790億円の市による負担を公表
市はもともと、予定地である人工島・夢洲の液状化対策や土壌汚染対策の費用は負担しない前提で公募を始めた。自治体が絡む土地取引では、これらは事業者が行うのが当然だからだ。実際、東京ディズニーランドでは事業者が液状化対策を実施している。
......続きはZAITEN5月号で。