ZAITEN2022年05月号
日ハム新庄「仮想通貨の広告塔」リスク
カテゴリ:クレーム・広報
北海道日本ハムファイターズの新監督〝ビッグボス〟こと新庄剛志(公式動画より)
プロ野球のセ・パ両リーグが3月25日に開幕した。2020年からの新型コロナウイルス感染拡大に伴い、過去2シーズンは無観客や入場者数を制限して試合を開催したが、今季は感染対策を徹底し入場制限なしで観客を受け入れる方針。延長戦も3年ぶりに12回まで行われる。 早くも解説者や評論家らによる順位予想が各メディアを賑わせているが、今季最大の目玉は、何と言っても北海道日本ハムファイターズの新監督、〝ビッグボス〟こと新庄剛志だろう。優勝争いが語られる中、開幕前から「優勝なんか目指しません」と公言する新監督のチームに注目が集まるのも皮肉と言えば皮肉である。
阪神タイガースを経て01年に渡米、大リーグのニューヨーク・メッツなどでプレーした元メジャーリーガー。04年から日本ハムファイターズでプレーし、06年の現役引退後はインドネシア・バリ島へ移住していたが、球団側からの要請を受け監督として古巣に復帰した格好だ。同時期にシアトル・マリナーズへ移籍したイチロー外野手とともに日本人野手としては初めてのMLB選手でもあり、数々の快挙を成し遂げたイチローと比べるのも酷だが、日米通算でそれなりの実績を残した。
だがむしろ、「記録よりも記憶に残る」が新庄の真骨頂。敬遠球を打ってサヨナラ安打を記録するなどの破天荒な振る舞いは、場外でも話題となった。昨年11月の監督就任会見で注目を集めて以降、札幌ドームで行われたファンフェスティバルでは超高級車のランボルギーニで球場入りするなど、ド派手な演出でファンの度肝を抜いたのは記憶に新しい。その後も春季キャンプからオープン戦までメディアの露出度は群を抜き、過熱する報道に「プロ野球界を乗っ取った」と言われるほど。その一挙一動が今シーズンの球界に旋風を巻き起こすのは間違いない。
仮想通貨はトラブルメーカー
そんな新庄は監督業と並行してタレント活動も再開。今年から不動産会社「CHINTAI」や、暗号資産(仮想通貨)取引所ビットポイントを運営する「ビットポイントジャパン」のテレビCMに出演している。このうち、ビットポイントジャパンのテレビCMは今年正月の3日間放映され、2月1日からは第2弾が全国放映された。新庄の顔がアップで映し出され、「ビットポイント」を連呼、「次の暗号資産取引はビットポイント」と仮想通貨の利用をアピールする内容だ。
これに先立ち、昨年12月に新庄は「ブランドアンバサダー」に就任。新庄を起用した理由について、ビットポイントジャパンは「新庄さんの気さくで親しみやすいキャラクターを通じ、投資未経験の方にも暗号資産取引をより身近なものに感じていただきたい」とコメント。新庄の抜群の知名度を利用して、知識の乏しい投資初心者を仮想通貨取引に誘導したい同社の本音が透ける。
......続きはZAITEN5月号で。