ZAITEN2022年06月号
企業人、役人、マスコミ人が〝大学教授〟に
【特集】客員・特任教授「実務家教員」のカラクリ
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タレントの「さかなクン」が昨年、東京海洋大学の「客員准教授」から「客員教授」に昇格し、同大から「名誉博士号」を授与されたことが話題になった。魚類の豊富な知識を持ち、大学のPRに一役買っていることが評価されての昇格だった。
そうした個性派の人材やビジネスパーソンが、「特命教授」「特任教授」「客員教授」「特別教授」といった〝ナンチャッテ〟待遇で大学教員に採用される例が増えてきた。「実務家教員」と総称され、それぞれの肩書には「大した違いはなく、名誉職のようなもの」と自身も採用を担当する某私大の学部長は打ち明ける。そして、その内実は「任期付きのケースもあれば、給与は応相談だが、講義分の時間給のこともある」(同)という。背景には、大学における「カネ」と「人材」を巡る複雑なカラクリがある。
そもそも「実務家教員」とは何か。文部科学省は大学の授業で、より実社会に役立つ教育を推進する立場をとっており、実務家教員の増加を奨励している。実務家教員は、文科省の定義によれば、概ね5年以上の実務経験と高度な能力を持つ人材と定義され、MBA(経営学修士)などの「専門職大学院」では全体の3割以上を、実習や実験を重視する医療系などの「専門職大学」では4割以上を占めることが義務付けられている。 こうした流れがナンチャッテ教授を増やす背景にもなっている。
受験生狙いの「人寄せパンダ」
元日本テレビアナウンサーの小西美穂氏が、4月から母校の関西学院大学の「特別客員教授」に就任、総合政策学部でジャーナリズムやメディア論などを教えると自身のインスタグラムで公表した。小西氏はかねてより〝第二の人生〟で大学教員への転身希望を公言し、昨年には早稲田大学大学院ジャーナリズムコース修士課程を修了していた。
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