2022年06月号
ゾンビ企業も延命させた「東証改革」に失笑
〝脛に傷〟清田CEOに迫る「東証生え抜き」の乱
カテゴリ:企業・経済
JPX清田瞭CEO(サイトより)
「まさに羊頭狗肉」―。投資家からこう嘲笑されているのが、東京証券取引所が「60年ぶりの大再編」と喧伝して4月4日にスタートさせた新市場だ。東証の親会社である日本取引所グループ(JPX)CEO(最高経営責任者)の清田瞭(76歳、元大和証券グループ本社会長)は、上場基準の厳格化などを挙げて「選ばれる市場を目指した」と力説するが、東証1部銘柄の8割以上がプライムに移行する〝骨抜き〟となった。JPX内では「既得権益を死守しようと蠢く上場企業や政治家に押し切られるばかりのトップを戴いたゆえ」(東証幹部)と嘆く声が漏れる。「再編を花道に退いてくれれば......」という願いも空しく、トップ8年目に突入した清田は、新たな3カ年の中期経営計画も自らの手でつくるつもりというから、その権力欲には恐れ入る。
「ゾンビ・プライム」市場
「投資家に魅力的な市場になっているか、点検を続ける」
4日朝の新市場取引開始前のセレモニーで清田はこう強調した。「玉石混交」「看板の掛け替え」との批判を意識したのかも知れないが、詰めかけた証券会社関係者や機関投資家らの間にはシラケた空気が充満した。結局、同日の日経平均株価(終値)の上げ幅はわずか70円(0・25%)。「ご祝儀相場」は空振りもいいところだった。
......続きはZAITEN6月号で。
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