2022年06月号
入札が集まらない〝異常事態〟
平井卓也が去って「デジタル庁」を蝕む新病魔
カテゴリ:政治・国際
平井卓也・元デジタル大臣(Wikipediaより)
「こちらのスタッフがスマートフォンで代議士を撮影しているところ、ライバルの小川淳也は本物の映画監督が大きなキャメラを持って撮影している」
とうんざりした表情で先の選挙戦を振り返るのは初代デジタル大臣、平井卓也の事務所関係者だ。
昨年10月に行われた衆院選の香川1区(高松市他)で異変が起きた。2017年の総選挙で惜敗した立憲民主党の小川淳也(当時は希望の党所属、比例復活)が、自民党の対立候補、平井に2万票弱の差を付けて当選したのだ(平井は比例復活)。その余勢を駆って小川は立民の代表戦に出馬、当選はならなかったものの、政調会長の座を射止めた。
そもそも、小川当選の原動力となったのが旧知の映画監督、大島新が撮ったドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』(20年6月公開)。映画内でヒール的に描かれた平井はものの見事に評判を落とし、さらに総選挙期間中には続編『香川1区』の撮影が行われ、地元の有権者の目の色が変わったのだ。先の平井事務所関係者が続ける。
「映画はエキストラを動員しているのではないかという話もあったが、みんな、ここいらの有権者。香川の人間が、東京から来た映画クルーのキャメラなんか回されたら舞い上がっちゃう。手の振り方もどんどんオーバーになって。やっぱり映画に映り込みたいのでしょう。応援する声もみんなで競うように大きくなっていった」
小川は、ウクライナ侵攻を受けて「ロシアにまともな野党がいれば、きちんと物申せる政治勢力が別途いれば、プーチン大統領による横暴はなかったはずだ」と、プーチンが野党をぶっ潰してきた経緯をまったく無視した妄言を吐いていることを考えても、政治家としては今がピークであろう。
......続きはZAITEN6月号で。