ZAITEN2022年011月号
創業150年を前に断末魔の舞台裏――ひたすら保身に走る〝軽量級〟の島田社長
東芝「経産省も匙を投げる」無責任経営
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巨額不正会計の発覚から7年。迷走を繰り返してきた東芝が「株式の非公開化」という名の身売りに生き残りを懸ける窮地に追い込まれている。経営を翻弄してきたアクティビストファンド(モノ言う株主)を排除するのが最大の狙いだが、経営ボードではモノ言う株主から送り込まれた青目の社外取締役と、外様出身の軽量級社長や東芝プロパー役員が私欲も入り交じった醜い"暗闘"を演じる始末。「名門企業の復活を目指そうという意思や熱意は全く感じられない無責任経営」(元役員)が罷り通っている。
当初は原発や半導体、防衛装備品など安全保障上重要なビジネスも手掛けることを理由に、公的マネーによる丸抱え救済も辞さない姿勢だった経済産業省も、そんな経営の惨状に「国民の理解がとても得られない」とドン引き状態だ。それでも放置はできないと、にわかに大手電力会社など東芝の取引先企業に非公開化の受け皿会社への出資を求める「奉加帳」を回す苦肉の策を繰り出したが、どれだけ応じてもらえるかは分からないのが実情。経産省内には「最終的には原発部門だけでも守れればよい」と匙を投げる声も出始めており、事業の切り売りによる東芝の解体が現実味を帯びている。
物言うファンドに
牛耳られ
「(官民ファンドの)産業革新投資機構(JIC)が(東芝という)非公開化による私企業の経営円滑化のみを目的に投資することはできない」―。経産省の西村康稔は8月に行った大手マスコミ各社との大臣就任インタビューでこう強調した。市場に根強くあった「『国策銘柄』の東芝は官民ファンドが公的資金で丸抱えする」との観測を打ち消すためだ。
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