ZAITEN2022年011月号
パソナと別府市長が画策した「温泉施設計画」
カテゴリ:政治・国際
温泉観光都市の大分県別府市が、市内の山中に温泉リゾートを整備する「東洋のブルーラグーン構想」をめぐり混乱が生じている。泉源もない市街化調整区域や保安林を公園として整備し、その中に大型の露天風呂を建設して運営する業者を公募するもの。ブルーラグーンはアイスランドにある世界最大の露天風呂だ。泉量減少や民業圧迫の懸念などがあるほか、そもそも市が進めるべき事業なのかと疑問符がつく。さらに問題の核心は、パソナグループと別府市長の長野恭紘との関係だ。
公園の候補地は秘湯ファンの間で知られる野天風呂「鍋山の湯」の付近。公園予定地は市有地だが、付近の1万6343平米もの広大な土地をパソナグループの南部エンタープライズが所有している。もともとは同じパソナグループのベネフィット・ワンが2013年11月に有限会社長野から購入した。有限会社長野はその名前の通り、市長の親族が経営する会社だ。しかも、有限会社長野は同年8月に懇意にしている会社から購入し、わずか3カ月でパソナグループに転売しているのだ。もちろんこの土地には泉源がある。大型露天風呂の泉源としての利用や、パソナグループが公募に参加するのではないかなど、パソナと市長の間に何らかの意図があると思われても仕方がないだろう。
......続きはZAITEN11月号で。
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