ZAITEN2023年002月号
原発関連製品へも及ぶ捏造・改竄の不正の数々
日本製鋼所 虚名の「世界一の原発部品メーカー」
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ウクライナ紛争に起因するエネルギー危機に乗じ原発推進へのシフトチェンジを図る岸田政権。黒子役の経済産業省は「世界最高品質の日本の原発サプライチェーンが崩壊寸前」と国内産業の危機を訴える。そこで必ず引き合いに出されるのが原発圧力容器製造で8割の世界シェアを誇る日本製鋼所(日製鋼)。
世界最大級の670㌧の鋼塊を鍛造できる技術が自慢だが、2022年2月に内部告発で組織的な品質検査のデータ改竄や捏造が発覚し、調査の結果、不正行為は原発関連製品にも及んだ。捏造・改竄が行われた期間はほぼ四半世紀。「世界最高品質」など全くの幻想だったのである。 匿名の内部告発で露呈 〈原子力製品において不適切行為が確認されたことは衝撃であり、慙愧の念に堪えません〉
22年11月14日、子会社の日本製鋼所M&E(M&E社、北海道室蘭市)で1998年から24年間にわたり続いていた計499件の品質検査不正行為に対する特別調査委員会(特調委)の調査結果を受け、日製鋼社長の松尾敏夫(60)はこんな内容の謝罪文を公表した。
報告書によると、不正発覚のきっかけは同年2月20日、社外に設置した内部通報窓口に寄せられた1件の情報。M&E社の室蘭製作所で品質検査の偽装が行われているという匿名の内部告発だった。
3月14〜25日に日製鋼は社内調査委員会による調査を行った結果、同製作所で実施していないはずの検査・試験の結果を捏造して記載したり、試験結果と異なる結果を記載(データ改竄)していたことが確認された。このため、4月12日に外部弁護士で構成する外部調査委員会を立ち上げ、本格的な実態調査に乗り出した。
......続きはZAITEN2月号で。