ZAITEN2023年002月号
急低下する支持率でもネトウヨの巨頭を切れない男
古谷経衡 「岸田文雄『容ネット右翼』の優柔不断」
カテゴリ:政治・国際
岸田文雄総理が杉田水脈総務大臣政務官の更迭を拒否した。拒否理由は「能力を持った人物だから」等々。何から何まで倒錯しているが、岸田がこうも杉田を切れないのはなぜか。
直接的には山際大志郎経済再生相、葉梨康弘法相、寺田稔総務相の三閣僚の「辞任ドミノ」連鎖を食い止める意思である。しかしよく考えてみるまでもなく杉田は閣僚ではないので、切ると決断すれば簡単のはずだ。むしろ英断とさえ映るのではないか。この不可思議な背景には岸田の根深いネット右翼(ネトウヨ)恐怖症ともいうべき心理が横たわっている。
岸田は21年の総裁選からネトウヨに警戒されていた。高市早苗が総裁選に立候補した際、ネトウヨは当然高市支持一色になったが、高市が決選投票に進まず敗れると岸田への消極的支持に転向。高市が岸田政権で「官房長官」ないしは「外相」等の重要閣僚として起用されることを熱望したが、結果は政調会長再任だった。政調会長を「冷遇人事」として捉えたネトウヨは、22年8月の内閣改造になおも期待したが、結果は経済再生担当相。ここでネトウヨによる岸田への消極的支持は完全に消し飛ぶことになる。
......続きはZAITEN2月号で。
関連記事