ZAITEN2023年03月号
新クレーマーズレポート 第63回
みずほ銀行「有名タレントで射幸心を煽る有害宝くじCM」
カテゴリ:クレーム・広報
宝くじの発行、払い込み等、地方自治体から関連事務の委託を受けるみずほ銀行。宝くじ関連の多くのテレビCMが放送されているが、そのCMのひとつに関し、読者から不快感を露わにする投書が届いた。
〈年末年始の休暇はどこかに出かけるということもなく、自宅でゆっくり過ごすのが私の毎年の定番となっています。
そういう過ごし方をすると、やはり、とりあえずテレビを眺めることが多くなります。若者のテレビ離れが叫ばれて久しいですが、私が不快に感じたのは、番組そのものではなくCMです。
特に宝くじにまつわるCMがとにかく多かったので、その頻度にも辟易したのですが、何より腹立たしかったのは、俳優の神木隆之介と山田裕貴が出演するCMです。友人とは思えない山田の振る舞いに対して、「宝くじを買っているから」という理由だけで、神木がどんなことでも許してしまう、というそのCMの演出が実に不愉快でした。
宝くじさえ買ったら、心に余裕ができて、どんな不誠実な振る舞いも笑って許せるということなのでしょうか。挙句の果てに、宝くじを買った神木は、友人である山田に金をせびられてもニコニコ笑って渡してしまいます。
少額とはいえ、たかりのような演出は教育上不適切であり、このようなCMを流すみずほ銀行には倫理観が欠如しているとしか考えられません〉
なんでも許せる宝くじ
読者が指摘するのは「新春運だめしくじ2023」という宝くじのCMだ。2023年1月11日から月末まで発売され、1口200円で、1等・前後賞合わせて5000万円。実際のCMはYouTubeの公式チャンネルで確認できる。
ベンチで待ち合わせをしている神木のもとに、友人と思われる山田がやって来る。「ごめん、3時間も遅れちゃった」と伝えたあと「ゲーム止まらなくてさ」と山田に悪びれる様子はない。一方の神木は「大丈夫」と笑顔で答える。「じゃあ、行こうか」と目的地に向かうことを促す神木に、山田は「待って、コーヒー買ってくる」と、神木をその場に置き去りにしてコーヒーを買いに行く(おそらく自分の分だけ)。普通ならこんな理不尽な振る舞いに激怒するところだが、ここで神木は「大丈夫。だって宝くじあるもん」と内ポケットに入れてある宝くじの存在を感じて穏やかに笑う。
......続きはZAITEN3月号で。