ZAITEN2023年04月号
【スポーツ対談】玉木正之
【スポーツ対談】玉木正之 ×佐野慎輔「アスリートはメディアを上手く利用せよ」
カテゴリ:インタビュー
さの しんすけ― 早稲田大学卒業。報知新聞社を経て産経新聞社入社。産経新聞シドニー支局長、外信部次長、編集局次長兼運動部長、取締役サンケイスポーツ代表などを歴任。30年以上のスポーツ記者キャリアを持ち5回のオリンピック取材を経験。現在は尚美学園大学スポーツマネジメント学部教授、産経新聞客員論説委員、笹川スポーツ財団理事などを務める。近著に、『西武ライオンズ創世記』(ベースボールマガジン社)、近共著に『2020+1 東京大会を考える』(メディアバル)など多数。
玉木 佐野さんは報知新聞の記者としてプロ野球取材などで活躍されて、そのときは私も、雑誌記者としてキャンプ取材などで助けていただきました。その後、産経新聞に移られてIOCやオリンピックの取材などに関わられ、シドニー支局長などを務められたあと、今は尚美学園大学教授として学生たちにスポーツジャーナリズム論を教えておられる。 そこで今日は、日本のメディアとスポーツのあまりに密接な、癒着とも言える関係について存分に話し合いたいと思います。
佐野 はい。早速ですが、いま、〝癒着〟と言われたのはちょっと違うと思いますね。そもそも日本のスポーツは、メディアが創ったわけですからね。
玉木 なるほど。明治時代以来のスポーツ振興は確かにメディアが主導したものといえます。
佐野 高校野球の夏の甲子園大会は朝日新聞、春のセンバツは毎日新聞が創った。それに都市対抗野球、社会人野球も毎日。プロ野球と箱根駅伝は読売。そこには確かに発行部数の拡張やコンテンツとしてのスポーツ利用があったでしょうが、けっして儲かったというわけではない。昔から、ある種、崇高な意識というものがあったはずです。
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