ZAITEN2023年05月号
歴彦前会長は半年経っても保釈されず
【特集2】KADOKAWA社長・夏野剛の〝裏切りクーデター〟に社内外から憤怒
カテゴリ:企業・経済
KADOKAWAは2月2日、代表取締役社長の夏野剛らが出席して、「東京五輪における当社役職員の贈賄容疑を受けた再発防止策を含む今後の取り組みに関する会見」を開催した。五輪汚職では大会組織委員会元理事の高橋治之が5社から1億9800万円の賄賂を受け取ったとして受託収賄の罪で起訴。そのうちKADOKAWAからは、高橋の電通時代の後輩で既に起訴された深見和政と共謀して約7600万円の賄賂を受け取ったとされている。贈賄側のKADOKAWAは、前会長の角川歴彦と元取締役専務執行役員の芳原世幸、担当室長だった馬庭教二が昨年9月に逮捕され、3人とも時効分を除く6900万円の賄賂を渡した罪で起訴された。
ただ、馬庭、芳原の2人は犯行を認めているものの、歴彦は「汚職に関与したことは一切なく、裁判で無罪であることを明らかにしていきたい」と事件に関わったことを否定している。
ところが、社内調査したガバナンス検証委員会は、3人らによる行為は「贈賄罪に該当する可能性が高い」と結論づけた報告書を1月23日に公表。会見では検証委員会委員長である弁護士の中村直人が、事件の背景を次のように説明した。 「会長案件という言葉も社内にはございまして、会長がなさるとみなさんなかなか物事が言えなくなるようでございます。(中略)規定上は特に決裁権限を持っているわけではないけれども、実際上は強い人事権を持っていたと思われますし、役職員もそう思っていた。それが忖度を招く原因にもなったかなと思っております」
続いて夏野が取締役会の改革案を発表。指名委員会設置会社に移行すること、取締役会の過半数を社外取締役にすることを6月の株主総会で決定すると説明した。
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