ZAITEN2023年05月号
TikTok「情報漏洩」に無警戒な政府とフジテレビ
カテゴリ:政治・国際
「マイナンバーで情報漏洩の懸念が批判されているのに、TikTokを使うのはおかしい。中国に情報を渡したいのか」
昨年9月の自民党総務部会で議員らが揃って不快感を示した。デジタル庁によるマイナンバーの広報で、中国企業の動画投稿アプリTikTokに政府が広告動画を提供した。それを問題視した反応だ。岸田文雄政権で初代経済安全保障担当相を務めた衆議院議員の小林鷹之は〈政府内で十分に検討した結果の取組なのか?〉(昨年9月9日)と、ツイッターで反応した。政府の今の重要課題は、マイナンバー制度の定着と普及だが、反対勢力は情報漏洩への懸念を指摘し続ける。確かに中国が情報を抜いている可能性があると批判されるTikTokを日本政府が使うのはおかしい。20年にスポーツ庁、気象庁がTikTokを使った広報を行って批判された。
同部会で総務省の担当者は「デジタル庁の広告なので」などと、しどろもどろになったという。昨年9月の記者会見で内閣府特命担当大臣(デジタル庁担当)の河野太郎は質問され、「何か抜かれて困る機密というのがあるものではない」とかわし、曖昧にした。 「デジタル庁の広告は、河野大臣の決裁ではなかったようだ。若者への広報方法など、役人には見当がつかないので、広告代理店の提案のままに担当者が飛びついたようだ。それにしても危機意識がなさすぎる」(自民党国会議員)
......続きはZAITEN5月号で。
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