ZAITEN2023年06月号
故人が健康について語るCMを流し続ける企業トップの無責任
ダイドーHD「3代目社長」に質問状送付
カテゴリ:クレーム・広報
本誌5月号では、読者からのメールをもとに、ダイドードリンコが販売する健康補助食品「ロコモプロ」のCMに関して取材した記事を掲載した。その内容は以下のようなものだった。
問題のCMは笑福亭笑瓶氏が10年後の健康の重要性を語る内容であったが、読者がそれを目にしたのは、同氏が急性大動脈解離のため亡くなった後で、その後も放送は続いていた。
本誌はダイドードリンコ広報部に、同氏が亡くなった後もCMが流れていた事実を把握していたか、この事実をテレビ局やCM制作会社に抗議したか、亡くなっているタレントが推奨する健康補助食品の広告を流し続けることは不見識だという声をどう考えるかを質した。
しかし、広報担当者からは回答はもちろん回答拒否の連絡すらなく、さらに本誌の取材依頼後もCMは流され続けた。
こうして、在宅勤務を言い訳に、連絡を無視し続けた同社のあきれた広報体制が浮かび上がった。(詳細は5月号の『あきれた広報実話』自販機はしゃべっても全くしゃべらない広報」参照) そこで今回、故人に健康を語らせるCMを流し続けるという常識では考えられない事態と、機能停止の広報体制をトップはどう考えているか取材することにした。
トップの自宅へ質問状
編集部は、ダイドーホールディングス(HD)の髙松富也社長とダイドードリンコの中島孝徳社長の両名の自宅へ直接質問状を送り、一連の経緯を伝えた上で、CM放映について把握していたか、トップとして倫理観が欠如したCMを流した事実をどう考えるか、同社の杜撰な広報対応をどのように考えているか、などを質した。
......続きはZAITEN6月号で。