ZAITEN2023年06月号

10兆円ファンドを利権化するワルい奴ら

国際卓越研究大に群がる「門外漢」の政商たち

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 国際卓越研究大学という名称を耳にする機会が増えてきたのではないだろうか。政府が創設した10兆円規模の大学ファンドの運用益を配分し、世界最高水準の研究大学の実現を目指す制度のことだ。ファンドは政府が1・1兆円を出資し、残りの8・9兆円は財政投融資資金、つまり国からの借金で構成。年3%、毎年3000億円の運用益を出して配分するという触れ込みだ。仮に5大学が選ばれたとすれば、1大学あたり年間600億円が得られる。これだけ聞けば、大学にとっては薔薇色にしか見えない話だろう。  

 国際卓越研究大の公募は3月末に締め切られた。申請したのは早稲田大、東京工業大と東京医科歯科大が統合を目指す東京科学大(仮称)、名古屋大、京都大、東京大、東京理科大、筑波大、九州大、東北大、大阪大の10大学。秋頃までに段階的に絞り込まれ、年度内に数大学が認定される予定だ。

「稼げる大学」を審査する?

 しかし、国際卓越研究大に認定されると、それまでの大学とは大きく姿を変えることになる。本誌22年6月号『10兆円ファンドを主導「学者政商」の正体』でも指摘したが、学外者を中心とした新たな最高意思決定機関を置かなければならず、この機関が学長を選考する。つまり、大学の運営が政財界に握られてしまうのだ。

......続きはZAITEN6月号で。

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