ZAITEN2023年07月号

今年の株主総会は大荒れ必至

【特集1】東電・中国電を襲う「経営責任追及」と「株主代表訴訟」

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 カルテルや顧客情報の不正閲覧などの不祥事に加え、2023年3月期の業績も不振だった大手電力会社の株主総会は、例年以上に大荒れとなりそうな気配だ。中でも東日本大震災・福島第1原発事故直後の12年度以来、10年ぶりの最終赤字に沈み、経営再建の先行きが全く見通せなくなった東京電力ホールディングス(HD)と、大口顧客向け電力販売を巡るカルテル事件で公正取引委員会から巨額の課徴金納付命令を食らった中国電力は企業存亡の危機とも言える状況に直面しており、株主から厳しい経営責任追及の声が上がるのは確実だ。6月からの電気代値上げに対する世論の批判も高まっており、社長ら経営陣は「針のむしろに座っている」(業界筋)かのような心境に違いない。 独特の「甘えの体質」 「大変厳しい結果だ」。東電HD傘下の電力小売会社「東電エナジーパートナー(EP)」社長の長崎桃子(1992年入社)は5月16日に開いたオンライン記者会見で苦虫をかみ潰したような表情を浮かべた。経済産業省に申請していた6月からの家庭向け規制料金の改定について、値上げ幅が当初想定した28%から14%に半減させられたからだ。社内で「ピーチ姫」と綽名される長崎は今年4月1日付でHD常務執行役からEP社長に就き、マスコミでは「東電主要子会社で初の女性トップ」と持て囃されてきた。

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