ZAITEN2023年07月号
【スポーツ対談】玉木正之
【スポーツ対談】玉木正之 × 氏原英明「野球を本当に楽しむために 大人たちは高校生に甲子園を解放せよ!」
カテゴリ:インタビュー
うじはら・ひであき―1977年ブラジル・サンパウロ生まれ。スポーツジャーナリスト。奈良大学卒業後、奈良新聞勤務を経て2003年に独立。2003年の夏以降、甲子園大会はすべて現場で取材している。おもな著書に『甲子園という病』、『甲子園は通過点です~勝利至上主義と決別した男たち』(いずれも新潮新書)、『BASEBALL アスリートたちの限界突破』(青志社)、執筆協力に菊池雄星著『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋)などがある。2020年のコロナ禍を機に野球指導者のmindアップを目指すための「オンラインサロン」を開設。全国の高校野球指導者と交流して情報共有をしている。
玉木 氏原さんは2018年に『甲子園という病』、21年に『甲子園は通過点です~勝利至上主義と決別した男たち』(いずれも新潮新書)という2冊の素晴らしい「甲子園批判本」を出版されましたが、当時は東京オリンピックがコロナで延期されたり、大会関係者の不祥事の連続で、正直言って甲子園どころではなかった。そこで今回、小生と小林信也さんとの共著『夏の甲子園はいらない 問題だらけの高校野球』(岩波ブックレット)を上梓したのをきっかけに、甲子園大会を真っ当に鋭く批判している人として小林さんから貴兄を紹介されました。
氏原 ありがとうございます。
玉木 こんなに見事な「甲子園大会批判」の書籍があったのにスルーしてしまったことをまずは謝ります。が、氏原さんは甲子園大会の素晴らしさについても言及されていますね。
氏原 はい。やはり「甲子園」と言えば誰もが一言で理解できる、一つのシンボルになっているところが凄いですよね。目標としての舞台でもあり、「高校球児」という言葉が象徴的なように、到達できた人もできなかった人も即座に理解し合える。それに主催メディアの盛りあげ方も凄く上手い。
......続きはZAITEN7月号で。