ZAITEN2023年08月号
【対談】佐高信の賛否両論
佐高信vs.山田正彦「日本の農業を外資に売り渡す自民政治」
カテゴリ:インタビュー
やまだ・まさひこ――1942年、長崎県生まれ。弁護士。早稲田大学法学部卒。司法試験に合格後、故郷で牧場を開く。オイルショックにより牧場経営を終え、弁護士に専念。その後、衆議院議員に立候補し、4度目で当選。2010年6月、農林水産大臣に就任。12年、民主党を離党し、反TPP・脱原発・消費増税凍結を公約に日本未来の党を結党。現在は、弁護士の業務に加え、TPPや種子法廃止の問題点を明らかにすべく現地調査を行い、また各地で講演を行っている。著書に『タネはどうなる』『アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!』など多数。
佐高 種子法に関して裁判をやっておられますが、これはとんでもない話ですね。まさに日本がつぶれるということを国は承知の上でやっているのか、承知でないのか、その辺はいかがですか?
山田 種子法廃止違憲確認等訴訟で、環太平洋パートナーシップ(TPP)による規制改革推進会議に従って種子法を廃止したんだということでした。TPP協定書を作ったのは、実は多国籍企業の代理人弁護士たちです。ある消費者団体の方が「多国籍企業のロビイストが日本に100人ぐらいは来ていて、日夜その工作に専念しているはずですよ」と言っていましたね。
佐高 TPPの時、私も反対でした。最初は自民党も反対しましたよね。
山田 みんな反対していました。
佐高 なぜ、いつの間に変わっちゃったんですかね。
山田 すごいお金が動いたんじゃないかっていう話がありました。だから、お金持っている大企業のモンサントとかファイザーとかダウ・デュポンとかのロビイストが日本でそれこそ政界や財界、官僚に働きかけている。最後はほとんど自民党をひっくり返しました。安倍晋三元首相も最初反対でしたが、交渉すると言い出した。
佐高 つまり、野党だけが反対したと?
山田 はい。安倍晋太郎とか岸信介の代から、安倍さんはアメリカと〝つうつう〟ですよね。だから、アメリカの言いなりになってきた安倍さんの下でTPP協定は最初からそういうシナリオでした。それこそ、種子法廃止は規制改革会議の決定だけで。普通なら農政審議会にかけなきゃいけないのに、それもかけずに通した。
......続きはZAITEN8月号で。