ZAITEN2023年09月号
岸田首相を操り兄弟タッグで投資優遇策
【特集1】亡国のみずほ「木原ブラザーズ」
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強権大統領プーチンが牛耳るロシアや専制支配者が君臨する途上国の専売特許と思われてきた「クローニーキャピタリズム(縁故資本主義)」の暗い影が日本をも覆い始めたようだ。元凶は「木原ブラザーズ」。「全国の顧客を巻き込む大規模システム障害という未曽有の不祥事の棚ぼた」と揶揄されながらもメガバンクの一角、みずほフィナンシャルグループ(FG)社長の座をつかんだ兄の木原正裕(57歳、1989年旧日本興業銀行)と、女性スキャンダルに塗れながらも時の首相である岸田文雄の「最側近」として官房副長官ポストに居座り、我が物顔で権力を振るう弟の木原誠二(53歳)のことだ。
2人は結託して私欲絡みに日本の行政や政策を食い物にしている。岸田が昨夏に唐突に打ち出して以来、一躍、政権の看板政策になった「資産所得倍増プラン」はその実、兄・木原が率いるみずほの資産運用ビジネスに新たな儲け口を与える利益誘導政策だ。弟・木原には株高で懐が潤ったベンチャー起業家や怪しいタニマチから表の政治献金や裏金がたんまりと注ぎ込まれるだろう。みずほやその大口取引先企業が不祥事を起こしても、「官邸のラスプーチン」と呼ばれる弟・木原からすれば行政処分で手加減するように霞が関官庁に圧力を掛けるのも朝飯前。兄・木原みずほ周辺筋は「システム障害はもう終わった話」と嘯く。
みずほと親密な大手ITベンダー、富士通はマイナンバーカードを使ったサービスのトラブルや政府・大企業向けクラウドサービスで情報漏洩の失態を繰り返しながら、社長の時田隆仁は引責辞任の兆しさえうかがえないモラルハザード(倫理観の欠如)ぶりだ。「身内ファースト」のエリート兄弟に政治・経済を操られた日本は亡国の道を歩もうとしている。
〝文春砲〟に反省の色なし
「オフレコ懇談での発言を『週刊文春』に書かれ、危うく『反岸田のレッテル』を貼られそうになった」。自民党選挙対策委員長の森山裕は7月上旬、側近議員に〝木原独裁〟と化した岸田政権の異様な様子をこう打ち明けたという。発端は、週刊文春が7月13・20日号で弟・木原の妻が元夫の殺人事件に関与した疑惑を報じたことだった。これを受けて、森山が大手マスコミ記者とのオフレコ懇談で「印象が悪い。木原は早く代えた方がいい」と漏らした様子も文春にすっぱ抜かれた。
......続きはZAITEN9月号で。