ZAITEN2023年09月号
みずほ「大規模システム障害」はじめ不祥事続出
【特集1】富士通「時田改革」の成れの果て
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「『改革』と称して株式市場のウケを狙うようなことばかりやっていては社員が疲弊するのも当然。相次ぐ不祥事は、上滑りな改革で現場のモラール(士気)が落ちている証拠だ」(元役員)。ITベンダー大手、富士通社長の時田隆仁(1988年入社)の社内での評判がすこぶる悪化している。
2019年6月のトップ就任以来、「ITゼネコン」とも揶揄される労働集約的なビジネスモデルから脱却し「顧客企業の変革を支えるコンサル型DX(デジタルトランスフォーメーション)企業に変身する」と吠えてきた。「まず自社の企業文化を変えるのが先決」とばかりに、米大手IT企業「GAFA」を猿真似するかのように社員の服装を自由化し、自らTシャツ・ジーンズ姿で勤務するなど陳腐なパフォーマンスに余念がない。年功序列を止め、職務に応じて社員のスキルや仕事内容を評価しポスト・賃金を決める「ジョブ型雇用」制度を全社的に導入して「働き方改革」もしきりにアピールしている。
ところが肝心の成果はと言えば、23年3月期を最終年度とする中期経営計画でぶち上げた収益目標さえ達成できないお寒い状況。それどころか、足元ではマイナンバーカードを使ったコンビニ証明書発行サービスでの相次ぐ誤交付や、サイバー攻撃への対応不備による顧客情報の大量漏洩など不祥事のオンパレードだ。にもかかわらず、時田は責任をもっぱら現場に押し付け、自らは「改革をさらに進め、結果を出す準備は整っている」などと自画自賛する能天気ぶりで開いた口が塞がらない。24年3月期には売り上げ規模でNTTデータに抜かれ、長年死守してきた「国内IT企業首位」の座からも転落する見通し。独り善がりの「時田改革」のメッキが剥げ落ちそうだ。
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