ZAITEN2023年09月号

久しぶりの表舞台で……

ソフトバンク孫正義「AI誇大妄想」の現実逃避

カテゴリ:企業・経済

 2023年6月に開かれたソフトバンクグループ(SBG)の株主総会で約7カ月ぶりに公の場に姿を現した同社会長兼社長の孫正義。「反転攻勢の時が来た」とAI(人工知能)への積極投資を再開する方針を意気軒昂に宣言した。国内外主要メディアが孫の言葉を垂れ流した一方で、社内外の一部では「孫さんはついにAIに現実逃避しだしたか」と失笑を買っているという。  

 SBGの23年3月期の連結決算は、傘下で主にAI関連企業に投資するビジョン・ファンドの業績がユニコーンバブルの崩壊で低迷し、2期連続の赤字を計上した。孫は傘下の英半導体設計大手アームの経営に専念するとして昨年11月の決算会見を最後に表舞台から遠ざかっていた。

 7カ月ぶりの公の場で飛び出したのが「反転攻勢」宣言だった。「グループを挙げてAI革命の先端を担う」とぶち上げ、「AIは人類の代わりにさまざまな問題を解決するようになる」と続けた。そしてアームの半導体チップがAIを搭載する機器に導入されることに自信を見せた。  

 日経新聞やロイター通信、果ては毎日新聞まで主要メディアがこぞって孫の発言を検証も無しに好意的に取り上げた。こうした提灯記事が溢れるのとは対照的に、SBG内では「冷ややかに受け止める関係者が少なくない」(中堅社員)という。

 その原因の一端が、株主総会と同日に開かれたSBG社員大会である。

......続きはZAITEN9月号で。

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