ZAITEN2023年10月号
知らぬ存ぜぬを貫くみずほHD木原正裕社長
【特集1】みずほ「ジャニーズ性加害問題」賠償請求のリスク
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ジャニーズ性加害問題は、ジャニーズ事務所による解決が見えないまま、国連も巻き込んだ〝外圧〟によって関連企業も責任追及される事態に突き進んでいる。
今年7月、2011年に国連人権理事会が採択した「国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)」の普及を促すことを目的に設置された同理事会「ビジネスと人権」ワーキンググループ(WG)のメンバーが調査のため初めて来日することが報じられた。WGの来日目的のひとつとして、ジャニー喜多川による性加害を受けたと訴える当事者たちと関係者への聞き取り調査を行うことが判明すると、再度問題は世間からの注目を集めた。8月4日に行われたWGの記者会見では、性加害問題について「同社のタレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」とされ、ジャニーズ事務所をはじめ関係企業に改めて厳しい現実が突き付けられた。
同会見では批判的な指摘を踏まえたうえで、「私たちはエンターテインメント業界の企業をはじめとして、日本の全企業に対し積極的に人権デューデリジェンスを実施し、虐待に対処するよう強く促す」と続けられた。
人権デューデリジェンスとは、企業がサプライチェーンを含めた事業における人権リスク(強制労働など)を特定し、その防止・軽減を図り、取り組みの実効性や対処方法について説明・情報開示するまでの一連の行為のことだ。日本でも、国連指導原則を踏まえ、厚生労働省の旗振りで20年には『「ビジネスと人権」に関する行動計画(2020~2025)』を策定するなど、人権デューテリジェンスが国内経済界において新たな企業倫理となりつつある。
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