ZAITEN2023年11月号
【対談】佐高信の賛否両論
佐高信 vs. 森功「万博利権に寄生する維新への批判を緩めてはならない」
カテゴリ:インタビュー
もり・いさお―1961年、福岡県生まれ。ノンフィクション作家。岡山大学文学部卒業後、伊勢新聞社、「週刊新潮」編集部などを経て、2003年に独立。著書に『官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪』『国商 最後のフィクサー葛西敬之』など。18年には『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞受賞。
佐高:『サンデー毎日』の9月3日号で、竹中平蔵が、「加計問題は、普通のプロセスで国家戦略特区をつくった。オープンな競争をして、加計が選ばれた。そのプロセスで、安倍首相は、やましいことは何もしてない」とぬけぬけと言っていました。それから、マイナンバーひも付けミスも誤差の範囲内だと言っている。ひどい話ですよね。森さんと私の共著『日本の闇と怪物たち』でも竹中を追及してるところがいいと反響がありましたね。
森:私も折に触れやってはいますが、竹中批判は佐高さんぐらいしかできる人がいないですからね。一旦は竹中さんもおとなしくなりましたが、また安倍晋三政権・菅義偉政権で復活してしまった。
ただ、竹中さん自身は安倍・菅政権でそれほど目立った動きをしてないんですよね。だから、余計その批判の対象になりづらい。実際は、産業競争力会議とかの中心人物であったりしますが、そこはマスコミも騒がないので、問題が見えづらくなっています。
佐高:岸田文雄政権の一つの戦略的に重要な支えが、麻生太郎ですよね。「あほう太郎」とも言うけど、その麻生と竹中の仲が良くないんですよね。
森:あの2人の仲は悪いです。やっぱり菅義偉さんが安倍政権の中心だったし、竹中さんはその師匠みたいなものだから、そういう意味ですと麻生さんの手前、表看板にはできないけど、実際に産業競争力会議を仕切っていたのは、竹中さんでしたからね。
佐高:最近、松田賢弥さんの著書『逆臣 青木幹雄』を読み返しました。小泉純一郎という人は、「自民党をぶっ壊す」と言って出てきましたが、それは要するに田中派をぶっ壊す、田中角栄をぶっ壊すっていうことですね。だから、野中広務さんや田中派は、反対したわけですよね。
森:そうですね。郵政の造反組は、みんな田中派というか、経世会ですからね。
......続きはZAITEN11月号で。