ZAITEN2023年11月号
日本大学の〝大麻犯罪行為〟に対処できない警察
岸田政権で凋落する「官邸ポリス」の現在地
カテゴリ:事件・社会
「官邸ポリス」は、いまなお健在なのだろうか。
往時の安倍政権時代には、官僚のトップたる官房副長官(事務担当)をはじめ、国家安全保障局や内閣情報官(内閣情報調査室の長で政府の情報収集活動を統括する)、危機管理監といった要職を警察出身のキャリア官僚たちが固め、政権の意に沿うよう捜査権や捜査情報を操るばかりか、事件潰しといった捜査介入まで平然と行ったものだ。
現在、官房副長官である栗生俊一も警察庁長官を務めた人物で、この系譜にあるとされる。その最たる証左として言及されるのが、岸田首相の腹心で政務担当の官房副長を務めた官木原誠二にかかわる変死事件だ。
発生は2006年4月に遡る。後に木原の妻となる郁子は、子ども2人がありながら不倫の果てに夫婦関係が悪化し、前夫・安田種雄と離婚しようというすさまじい状況下にあった。その最中、安田が刃物により喉元から肺に達する傷を負って、郁子と子どもがいる東京都内の自宅で死亡した。
警察幹部が語る。 「発生時に自殺として処理されたこの事件が18年に再捜査となった際、当時、警察庁長官であった栗生が政治への配慮から捜査を止めたというのが専らだ。再捜査に当たった警視庁が木原と郁子が乗ったタクシーのドライブレコーダーを回収しているが、その中で木原は『俺が手を回しておいたから心配すんな』などと発言していることも明らかになっている」
警察内部では、「事件潰し」と囁かれているというのである。
この件は、15年に官邸と太いパイプを持っていたTBS記者・山口敬之に発付された準強姦容疑の逮捕状が中村格(前警察庁長官)によって握りつぶされたことや、これに「官邸ポリス」の代表格であった北村滋がかかわっていたとされることと並び称されることが多いともいう。 「この功績で栗生はさらに要職を兼務することになった」 永田町筋は今年9月の人事についてそう語り、「官邸ポリス」の面目約如だとした。政府の感染症対応の司令塔となる「内閣感染症危機管理統括庁」が発足し、トップの危機管理監に栗生が抜擢されたのを指してのことだ。
......続きはZAITEN11月号で。