ZAITEN2023年11月号
読売「ジャニーズ問題」で問われるメディアの矜持
カテゴリ:事件・社会
本誌10月号にて《日テレ「ジャニーズ24時間テレビ」強行の罪》と題する特集を展開した。
故ジャニー喜多川による性加害事件が問題視される中、ジャニーズタレントである「なにわ男子」をメインパーソナリティに起用した「24時間テレビ」が8月26日~27日に何事もなかったかのように強行されることを問題視する内容である。8月29日には、「外部専門家による再発防止特別チーム」により、ジャニー喜多川によるおぞましい性加害を認定、9月7日には前社長の藤島ジュリー景子、新社長の東山紀之らが記者会見を開き、謝罪した。
ジャニーズ事務所はそれまで正式にはジャニー喜多川の性加害を認めていなかったが、3月の時点で英BBCのドキュメンタリー『J‐POPの捕食者 秘められたスキャンダル』が配信され、元ジャニーズJr.による告発が相次ぎ、過去には被害者たちによるいくつかの告白本が出版されるなど、ジャニー喜多川の異常な性癖は「公然の秘密」であった。
記事作成にあたり、編集部では24時間テレビのスポンサー企業、および日本テレビホールディング(HD)、また日テレHDの取締役会議長と読売新聞グループ本社社長を兼務する山口寿一氏に見解を質すべく質問状を送った。
スポンサー各社、並びに日テレは判を押したように「性加害は認められない」「事態の再発防止に向けて努力すべき」との一般論に終始したものの、一応何らかの反応は示した。中には「自分たちにはキャスティング権はない」(大王製紙)といった、「そんなわけないだろ」という回答もあったが、各社とも「史上最悪の性加害」が暴かれた現状に苦慮している様子は見られた。当然だろう。
しかし、頑なに回答を避けた企業がある。「社会の木鐸」である新聞を生業にする読売新聞である。そこで本誌はその真意を質すべく、登記簿に記載されている山口社長の自宅へ、配達証明郵便にて質問状を送付した。
......続きはZAITEN11月号で。