ZAITEN2024年02月号

【新春対談】佐高信の賛否両論

佐高信 vs. 寺田俊治「メディアは『反体制』の人で構成した方が健全だ」

カテゴリ:インタビュー

てらだ・しゅんじ 1959年東京生まれ。早大第一文学部卒後、(株)日刊現代入社。スポーツ編集部、ニュース編集部長、取締役編集局長を経て、2016年より現職。1993年の細川政権から政治記事を書いてきた。

メディアは反体制の側にいる

佐高:
2016年2月4日の衆院予算委員会で安倍晋三元首相は、「今日、帰りにでも日刊ゲンダイを読んでみてくださいよ。これが萎縮している姿ですか」と挑発しましたが、安倍や歴代自民党政権から圧力はありましたか?

寺田:もちろん、民主国家ですから、露骨に圧力のようなものを感じたことはありません。記者時代の経験でいうと、むしろ自民党政権はしたたかというか、鷹揚のフリがうまくて、民主党政権の方がつまらないことを言ってきましたね。   

 政権交代前は、自民党政権を批判していたので、民主党政権は、『日刊ゲンダイ』が自分たちの味方だと勘違いしていたのでしょう。  

 自民党が駄目だから「野党もっと頑張れ」という意味で書いていたのに。民主党政権を叩いたら現場で、「ひどいじゃないか」と言われたこともあります。与党であれば当然厳しい論調になるのに、批判に弱いのかなと思いました。それに比べると、歴代自民党政権はタヌキです。

佐高:それは面白いですね。

寺田:安倍さんたちのターゲットは、大新聞でありテレビ。日刊ゲンダイがキャンキャン騒いでいることをアピールして、メディアが委縮していないという〝アリバイ〟として言及したのでしょう。タヌキだった自民党政権も、安倍政権以降、露骨にメディアをコントロールするようになったと思います。  

 萩生田光一さんが選挙報道での中立性を文書で求めた時がありましたが、あの辺がターニングポイントだったと思います。


.....続きはZAITEN2月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

【著者インタビュー】『観光消滅 観光立国の実像と虚像』

佐高信 vs. 古賀茂明「石破総理は企業団体献金廃止を実現させよ!」

【著者インタビュー】『潜入取材、全手法』

【インタビュー】世襲という病、裏金という腐敗

【インタビュー】自衛隊の安定的な運用に貢献する防衛産業は「第4の自衛隊」

【インタビュー】「日大改革を妨げている林理事長〝忖度〟マスコミ」

佐高信 vs. 福島みずほ「家父長制への回帰を望む自民党は許せない」

特ダネ記者「放言座談会」

【著者インタビュー】『旧統一教会 大江益夫・元広報部長懺悔録』

【インタビュー】マスコミ批判の源流は「新左翼系総会屋雑誌」