ZAITEN2024年02月号

「談合疑惑」まで飛び出した大手旅行会社の地に墜ちた「モラル」

カテゴリ:TOP_sub

近ツリが落札し再委託

 2023年11月15日、公正取引委員会は青森市が発注する新型コロナウイルス感染者の移送業務の指名競争入札を巡り、旅行大手5社が談合を繰り返していた疑いがあるとして、各社の青森支店や岩手、福島両県の関係先を含む計9カ所で立ち入り検査に着手した。  

 独占禁止法違反(不当な取引制限)で公取委の検査を受けたのは近畿日本ツーリスト(※2位)、JTB(1位)、東武トップツアーズ(4位)、日本旅行東北(※3位)、名鉄観光サービス(10位)の5社。カッコ内は22年度旅行会社取扱額ランキングの順位(※は親会社の順位)で、業界断トツの首位であるJTBをはじめ上位企業が軒並み名を連ねている。  

 疑惑の中身はこうだ。青森市は22年3月から、コロナ感染者のうち移動手段がなかったり、高齢で体調が万全でない軽症の患者を自宅から病院や療養所に送り届ける移送業務を始めた。23年5月まで計178件。これを委託する業者を選ぶための5回の入札では、近ツリ、JTB、日本旅行が5回全てに参加し、地元バス会社の弘南バスは最初の1回だけ参加し残り4回は不参加。因みに弘南バスに公取委の検査は入っていない。  

......続きはZAITEN2月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

佐高 信 vs. 角川春樹「出版界の革命家が語る永田町の〝未来予想図〟」

武田薬品「ポスト・ウェバー」移行期間1年半の〝謎〟

日本製鉄に突き付けられた「最悪のシナリオ」

JAL「立ち直り遅れ」で長距離路線も廃止の惨状

三菱商事「張りぼて会見」の裏で布かれる〝箝口令〟

金融庁「三菱UFJ・みずほ〝泥棒銀行〟」に弱腰のワケ

【特集】日本郵便・千田の「値上げ」で笑う〝悪い奴ら〟

【特集】〝死に体〟でも延命する「ゾンビ増田政権」

佐高信 vs. 山崎拓「政治家の劣化を止めるには選挙制度改革が必要だ!」

KADOKAWA夏野の「口八丁」に社内〝総スカン〟