ZAITEN2024年02月号
産経新聞「販売局」を蝕む〝裏金〟疑惑
カテゴリ:事件・社会
「〝大阪〟で好き勝手やっていた販売局派閥が東京でも同じことをやっている。もう東京の販売網はめちゃくちゃになってしまっています」
そう憤りを隠さないのは産経新聞のある販売関係者。一体、産経の中で何が起っているのか。
2023年3月、産経は新聞の購読契約に際して、購読者に対して法令上の上限金額を超える景品類を提供したとして大阪府から「不当景品類及び不当表示防止法」(景表法)に基づく措置命令が下された。産経は19年にも同様の措置命令を受けており、さらに21年には措置命令後も同様の景品類提供が続けていたことが発覚し、同年8月に公表。関係者の処分を発表していた。
ちなみにこのとき話題になったのが、購読契約の景品として採用された8万1000円相当の電動アシスト自転車。景表法では、新聞業における景品類の上限金額が6カ月分の購読料の8%とする、いわゆる「6・8ルール」が規定されている。産経の場合、この金額は1900円程度(当時)であり、約8万円の電動アシスト自転車がいかに法外な景品だったかがわかる。
「19年の大阪府からの措置の後、21年に内部通報によって事態は再び明るみになります。この時、処分された大阪販売局トップの扇谷英典常務取締役(当時)の部下だったXが、現在東京販売局長、執行役員として販売のトップにいます。このXが扇谷と同じ手法で、東京で同じことを行っているようです」(前出の関係者)
産経は全国紙のなかでは、いわゆる下位グループの発行部数規模。減少傾向が続く業界のなかでは一層苦しい立場のはずだ。にもかかわらず高額景品を用意するのはなぜか。 「〝裏金〟ですよ。1年購読してもせいぜい3、4万円にしかならない購読料に8万円も景品を付けるのは裏金作りのためです」(前出の関係者)
裏金を作るためのスキームは次のようなものだ。
......続きはZAITEN2月号で。