ZAITEN2024年03月号
被害対策に千葉県が約8000万円の血税投入
日本冶金「特定外来生物『キョン』被害」の大罪
カテゴリ:事件・社会
ここ数年、「キョン」という生き物の名前を各種メディアで見聞きする機会が増えている。
キョン(羌)は体長47~70㎝で尾の長さ8~10㎝、体高45~50㎝、体重12~17㎏とされる小型のシカ科哺乳類。もともとは、中国南東部および台湾に自然分布する外来種だが、高度成長期に日本に移入され、千葉県では1964年に開園し、2001年に閉園した勝浦市のレジャー施設「行川アイランド」で飼育されていた。
それが60〜80年代に同園から脱走したと見られる数頭が野生化し繁殖した結果、勝浦市だけでなく近隣の鴨川市やいすみ市、君津市などへ分布が拡大。20年度には千葉県南部のほぼすべての自治体を網羅する17市町で確認されるまでになった。推定される生息数も、14年度には約3万4700頭だったのが、21年度の調査では約6万7300頭と、7年間で2倍近くも急増している。
木の葉や果実を好んで餌とするキョンの大繁殖に伴い、千葉県ではキョンによって農作物が食い荒らされる被害も年々増加している。千葉県自然保護課によれば、キョンによる県全体の農作物等被害額は22年度だけでおよそ420万円。
......続きはZAITEN3月号で。
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